出木杉は一生かかっても【のび太】には勝てない
どうしてしずかちゃんはのび太を選んだんでしょう?
これはこの太陽系における永遠の課題といってもいいでしょう。
のび太は出木杉のように頭もよくない、ジャイアンのように運動が得意でもないし、(子供の)社会的な権力もなければ、スネ夫のように金もちではない。
【ドラえもんを知らない方々へ】
ドラえもんを知らない人がこの世にいるなんて、恐竜が今もどこかで生息しているかもしれないという仮説が証明されるくらいの確率しかないと思いますが、テキトーに登場人物だけ説明しておくと
主人公は多分「のび太」
のび太は勉強もできないスポーツもできない(一見)何のとりえもない、ポンコツ小学4年生。「ドラえもん」はのび太の同居人(ロボット)
「しずかちゃん」は、のび太のクラスメートで、このアニメのマドンナ的存在。将来のび太の妻になる。いつもお風呂に入っている。
「ジャイアン」はガキ大将で、のび太を率先していじめている。 歌が下手で、シルバーバレットは、かあちゃん。
「出木杉」はシンプルな天才。イケメンだし物知り。しずかちゃんがこの時に、彼に想いを寄せているのかどうかは知らんが、のび太がいつも敵視している。
とこんな感じの登場人物たちなんですが、のび太はこれらの候補の中から見事にしずかちゃんを勝ち取っているんです。それはいったい何なのか、考えたことはありますか?
(のび太が主人公だからという回答はなしです。)
僕はこの壮大な課題について、結構前から考えたことがあります。
このことって、結構現実の世界でも、身近にありそうな感じがしたんですよね。
ジャイアンやスネ夫はともかく、出木杉のようないわゆる天才?的でルックスも(多分藤子不二雄のワールドでは)かなりトップレベルで、何でも簡単にこなしてしまう欠点があまり見あたらないような人間が、しずかちゃんのようなクラスのマドンナ的存在を射止めることができないみたいな。
現実世界にはここまでの人はそうそういないですが、似たような状況は想像できるのではないかなと思うんです?
それに、実際、ドラえもんを見ている人で、出木杉がしずかちゃんと結ばれないという結果を知って、納得がいかず、本気で激怒する人も少ないと思うんです?
つまり視聴者のみなさんでも、しずかちゃんの立場になった時(のび太を選ぶかどうかは別としても)出木杉を選ばないからだと思うんですよ。直感的に。
それは具体的に何なのかな、というのを僕なりの考えでちょっと説明してみますね。
・のび太を選んだ理由
とりあえず、しずかちゃんがのび太を選ぶという結末は確定しているのだから、その選んだ理由から逆算すれば、わかりやすいかなーと思って、ここからスタートしてみます。
皆さんは、しずかちゃんがのび太を選んだ理由、もしくは結婚することを決断することととなった決定的な要因を知っていますか?
これは有名な話なので、知っている人も多いと思いますが、確か25巻あたりで、しずかちゃんとのび太が結婚するときの未来のお話の回があって、そこにその理由が書いてあります。
結婚前夜になって、しずかちゃんは、のび太との結婚に不安を隠せず、お父さんのところへ行って、結婚をやめると言い出すんですね。
この時にお父さんが、しずかちゃんにかけた言葉はこれです。
「のび太君を選んだ君の判断は正しかったと思うよ。あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことができる人だ。それが一番人間にとってだいじなことなんだからね。彼なら、間違いなく君を幸せにしてくれると僕は信じているよ」
っていう、クソかっこいい名言を言うんですね。
多分この言葉を聞いて、しずかちゃんは結婚を決断したといっていいでしょう。
もちろん他の要因もあるとは思いますが、これが一番大きい要因といってもいいんではないでしょうか。最後の決断の時の要因となっているんですから。
ということは、のび太にものび太だけの取り柄があったんですね。
それはつまり「思いやり」ってところでしょうか。
・出木杉にはないもの
先の話ののび太の取り柄、他の人にはないものだから、しずかちゃんはのび太を選んだとしたら、他の人にはあの「思いやり」がないということでしょうか。ないとまでは言わなくても少ない。多分出木杉でさえも。
ジャイアンはのび太をバットで殴るし、スネ夫もいつもみんなを遊びに誘うときは、のび太を仲間外れにしているので、容易に「思いやり」がないことは想像できるますから今回は除外します。(映画の時に突然生まれる思いやりや絆は常時的なものではないので除外)
それにのび太が恋愛的観点から敵視しているのは出木杉ですしね。
出木杉はどうなのかというと、結論から言うと僕は確かに彼は「思いやりがない」と思います。
出木杉は成績もいいし、知識も豊富で、なんでもこなせる天才ですが、一つだけ欠点があるように僕は思います。
それは、自分以外の他人がどんな感情を持っているのか、どんなことを考えているのかを察する能力が欠けていると思うんですね。
IQって聞いたことありますよね?これは人間の知能指数を示す数値のことですが、出木杉は多分ダントツでこの指数が高いです。
でもIQ以外にも人間の能力を示す尺度があってEQというのがあります。
これは、確か感情指数というもので、他の人の感情を読み取ったり、状況に応じた行動をとれるとかいう能力ですね。社交性みたいなもんです。この数値が出木杉は著しく低いです。
簡単に言うと、うざいんです。(笑)
他人が不愉快になることや、傷つくことを結構普通にしているんですね。
例えば、のび太としずかちゃんが二人でいるときでも、平気でしずかちゃんに話しかけ、唐突な話題をなげかけ、のび太にはほとんど目もくれず、しずかちゃんと二人のワールドに入っていきますね。
別にしずかちゃんを好きなら勝手ですけど、わざわざのび太の前で、するのはどうかと思います。のび太がしずかちゃんを好きなのは誰がどう見ても、明らかですから、のび太に敵視されるような思いをされてあたり前です。
のび太はどんなにしずかちゃんが好きで、彼女が出木杉と一緒にいたところを目撃して、どんなに嫉妬していたとしても、その時の状況をぶち壊してまで割り込もうとはしません。
あと出木杉は、テストの点数がいつも100点なんですが、それを女の子たちにちやほやされていた時のことです。
どうして100点が取れるの?という問いに対して、
「普通にやっていればこんなの簡単だよ」
とかなんとか言うシーンがあります。
これはうざい。普通にやってて取れない人がどんだけいるか彼はわかっていない。これは他の人を不愉快にさせるのは容易に想像ができます。
「毎日頑張って勉強しているから」
で良くないですか?本当に彼の価値観的に「普通」だったとしても、そういう言葉がキザと思われるのは想像できないんでしょうか。
こういう自分の行動や言動が他人にどう受け止められるかとかいう、想像力に欠けているんですよ。僕が思うに。
これが唯一の欠点で、のび太にはかなわないところだと思います。
そして、のび太の取り柄というのは、このEQだったんですね。
・身近にいる出木杉
今日話したかったのは実際はここです。(笑)
身近に出木杉はいっぱいいると思います。僕も含めて。
今の時代はドラえもんの世界とは違って、情報化社会が進んで、SNSが普及して、簡単にいろんな人とつながるようになりましたね。
この時代にある投稿に対して批判がされたり、炎上したりするなんて言うのはよくある出来事になってきました。
こういう問題に対して、いやならその投稿を見なければいい、とか、表現の自由だから問題ない、とか言う意見はあると思いますが、それはとりあえず無視して、
実際に、どこまで配慮した行動をするのが正しいんですかね。最近疑問です。
例えば、
大学の成績で、単位が一つだけ評価がBだった。それ以外はAだったのに。最悪。という投稿があるとしますね。
こういう人、小学生の時からよくいます。100点満点のテストで、95点で落ち込むやつとか。(笑)
別の落ち込むのはどうでもいいんですけど、それを人に「点数悪かったわ~」といって、嫌味を言われたと判断されて嫌われるやつ。どうしてそういう人クラスには一人はいるんでしょうかね。
点数が高くて、残念がる人、点数低くてよかったと思う人なんてこの世にほとんどいないと思うんですが、どういう思考回路でそのような発言に至るのか、いまだに理解できません。(そういうのをネタで、わざと嫌味を言っているキャラなどとして行っている場合などは別ですが)
自分の得意なもの、自慢できるものは、誇りに思って素直に喜べばいいのに(それだけでもまぁまぁうざいですが(笑))、なんか変な思考回路で、結果的に、遠まわしに、余計に自慢したいみたいになってしまっている人ってよくいると思うんです。
こういう出木杉みたいなのが、世の中にはたくさんいると思うし、逆に言えば、のび太みたいな人は少ないから、
みんなのび太としずかちゃんの結婚に納得しているんじゃないでしょうかね。